【書評】コンカツ? 石田衣良

アラサー女性の婚活模様を涙あり(?)笑いあり、で描いた作品。

コンカツ? (文春文庫)

コンカツ? (文春文庫)


テンポよく話が進んでいくし、描写もしっかりしていて読みやすく、面白い作品でした。
肩肘張らずに読める本なので、リフレッシュしたい時や、通勤中などに読むのがおすすめです。

石田衣良さんの作品は作品ごとで、印象が違うように感じます。
石田作品は、「リバース」、「眠れぬ真珠」しか読んだことがないのえらそうなことは言えませんが、爽やかな雰囲気とエンタメ性重視な点を踏まえると、本作品は「リバース」寄りの作品でした。

本作品は、総合職女子のやるせない感じが上手く描けていて、かなり共感できました。
なんだかんだ言ったって、男性並みに働くような女性は結婚市場では割りを食う存在です。
その悲哀に悩みながらも、自分の生き方を貫く主人公には勇気付けられます。

また、様々な出来事を経て、主人公の恋愛観や結婚観が変化していく様も興味深かったです。

石田衣良さんは、かなり女性にもてると思います。なぜなら、こんなに女性の気持ちを把握していり男性ってなかなかいないと思うからです。

また、本作品はアラサー女性のコンカツ問題のみならず、熟年離婚から非正規雇用をはじめとする格差問題までをも、射程にいれており、社会派小説の性格も有しており、色々な読み方ができるのも魅力の一つと言えます。

☆絵になる小説、ドラマ化期待大です。☆