【映画&書評】火垂るの墓 野坂昭如

先日、テレビで「火垂るの墓」が放映されていたので観た。

アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)

アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)


幼い頃に観たことは記憶しているが、詳しい内容までは覚えていない。
ただ、あまりに悲しい話で、もう一度観る気にはなれず、今まで再度観ていなかった。

久しぶりに観ると、色々なことに気づかされた。

まず、清太が14歳の若さであること。あんなに、年若き少年が、社会から見放され妹と二人で懸命に生き、死んでいく様は観るに耐えなかった。清太と節子は、居候先の親戚の家の家人の態度に耐え兼ね、二人で野宿することになる。その後、節子は栄養失調により徐々に衰弱し、清太の懸命な看病虚しく、死んでいくのだ。清太はよく頑張っていたが、やはり14歳なりの知恵と能力の範囲での頑張りであった。この二人のことを真剣に考てくれる知恵のある大人が一人でもいたら、彼らの状況は様変わりしていたことだろう。
これは、現在の子どもたちにも言えること。何らかの問題を抱えている子どもの周りには往々にして、真剣にその子どもについて考えてくれるまともな大人がいない。そのため、彼らは、未熟な判断力の範囲で、懸命に考えるのだが、悪い大人に利用されてしまったり、不幸な道へと進んでいくのだ。

時代は変われど、社会の力が弱まる時に犠牲になるのは、生き抜く力が乏しい子どもたちなのだと改めて気づかされた。

よい機会だと思い、原作にも手を伸ばした。原作は、第58回直木賞受賞作である。

原作は、映画とは別種の味わいがある。
戦争を体験したものならではの描き方なのだろうか、悲観一辺倒ではなく、生き抜く為に、残酷な状況さえも笑い飛ばしてしまうようなシニカルさがあった。

I watched the movie ‘Hotaru no Haka’on TV.
I was surprised by the age of Seita.
He made a effort for his sister. But she died.
If there were a good man took care of them, they were happy.
I thought children need the man gives them affection.