【書評】対岸の彼女 角田光代 ~The purity of women's friendship~
最近、キャリアウーマンの婚活をコミカルに描いたドラマ『結婚できないんじゃなくて、結婚しないんです』と主婦の不倫を描いたドラマ『不機嫌な果実』を観ている。
どちらの作品も、対象や場面の設定は異なるのだが、恋愛ドラマの王道をその作品なりに抑えていて、面白い。
ただ、片方は、キャリアウーマンを、もう一方は、主婦を主人公としている。そのため、それぞれの作品に対して共感できる層は自ずと限られてしまう感は否めない。そんなことを考えつつ、キャリアウーマンも主婦も両方混在する作品って何かなかったかなあと思いを巡らしていたところ、『対岸の彼女』を思い出した。
言葉を交わさずとも深く分かりあいたいと願う女性たちの友情の紡ぎ方を描いた作品。
本書は、言わずと知れた第132回直木賞受賞作。
専業主婦の小夜子は、生活を心機一転させたくて、葵が代表を務めるベンチャー企業でハウスクリーニングの仕事を始める。一緒に仕事を始めることで子持ちの主婦小夜子と独身社長葵の間に友情が芽生え始める。
今回で読むのは2回目でしたが、味わい深く、読み応えがありました。ノンバーバルな結びつきで始まった友情の一時の強さと、その脆さを上手く描いているなあと。お互いが訳もなく「ウマが合う」と感じたけれど、時が過ぎるについてて、互いの知られざる一面に直面した時の衝撃。ただ、絶望から絶縁ではなく、互いを受け入れてより一層結びつきが強まるようなラストの描き方も好感が持てました。
葵も小夜子も彼女たちなりによく考えているのだけれど、互いのことを自分より思慮深くない人であると決めつけてしまい、そこから起きるすれ違いを丹念に描いている。女の子は、ぶつかり合うことを恐れて言葉を引っ込めてしまう傾向にある。なんとなく共感し合って終わってしまう。心地よいのだけれど、なんとなく会話の後にそこはかとない孤独感を味わっていしまうのも事実だなと、本書を読みながら感じた。
黙って腹にためこめば深刻味を帯びるが、口にすればどうしたって喜劇なのだと、いつか思ったことが思い浮かんだ。
自分がやりたかったことはこういうことだった。立ち止まる前に出来ることを捜し、へとへとになるまで働き続け、その日の終わりに疲れたねと笑顔で誰かと言い合うこと。
どれほど親しくなったって、一度離れてしまえばあっという間に関係は終わる。あの風変わりな事務所のことも、同い年の女社長のことも、自分はすぐ忘れるだろうし、葵だってそうだろう。子どもじゃなくたって、医や大人だからこそ、記憶はすぐさま日々に紛れてしまうだろう。
I have read the novel two times.
The novel shared the difficulty of non berbal conection and the purity of women's friendship.
I think that women tend to unlike discussion and like synpathy. I think the tendency lead to feelig for isolation.